Roll & Equipment

KRSTは国内で唯一の特殊ロールおよび設備の
専門製造メーカーです。

Brush Roll Series

ディスクブラシロール


ブラシロールは、鉄鋼・非鉄金属などのストリップ表面における物理的な洗浄作業に使用されるロールです。
当社は、設計・実生産・製品組立まで一貫した生産体制を有しており、各顧客の多様な用途に応じた最適なブラシロールを製造しています。

ディスクタイプ

円盤型の鉄板(ディスク)の曲面に穴を開け、その中にブラシフィラメントを充填して製造されるブラシの一形態です。これらのディスクを積層することによって、ブラシロールが作られます。

ディスクタイプの特徴

ディスク積層方式により、所望の密度を持つブラシロールの製作が可能です。特に高密度のブラシロールは、内部圧力を長期間維持できるため、過酷なブラシ作業に適しています。

  • 安定した品質:隙間の少ないブラシの製造が可能で、密度の高いブラシ作業にも対応できます。また、長期間にわたり高い積層圧力を維持できるため、強力な作業に最適です。
  • 脱毛防止:各穴にブラシフィラメントが植毛されており、脱毛の連続的な発生を防止できます。また、ディスクを交換することで部分的な修理が可能です。
  • 植毛方法:三つの異なる植毛方法を採用しており、品質やコストの要件に応じて変更が可能です。

ディスクカセットブラシロール

ディスクカセットブラシロール (Disk Cassette Brush Roll)の構造で製造されますが、ROLL SHAFTへの積層は行わず、必要なサイズに応じて一定の長さのブロック形状として供給されます。最終ユーザーはROLL SHAFTに簡単に組み立てて利用できる設計です。

上記の写真に示されているように、拡張キーを用いてカセットを固定することで、シャフトとカセット間の隙間を効果的に排除します。この設計により、ロール駆動中のチャタリングマークの発生を防ぎ、シャフトの損傷リスクを軽減することが可能です。

ディスクカセットブラシロールの特長

  • 輸送コストの削減:ブラシシャフトを移送する必要がないため、ブラシロールの搬出・納品時に伴う輸送コストと時間を大幅に削減できます。
  • 予備シャフトの削減:ディスクカセット方式は顧客現場で直接組付けが可能であり、予備シャフトの保有数を減らすことができます。
  • ブラシ品質の向上:専用キーにより各ディスクを確実に固定することで、カセットブラシとシャフト間の隙間をなくし、シャフト摩耗を大幅に低減します。 ※ シャフト摩耗は、ブラシロールの振動および騒音発生の主要因となります。
    • ※ シャフト摩耗は、ブラシロールの振動および騒音発生の主要因となります。

製造工程

ディスクブラシロール完成品画像

スパイラルブラシロール

ブラシフィラメントをスチールフープに連続植毛し、それをロールシャフト外径にスプリング状に連続巻き付けることで、スパイラルブラシロールを製作します。

スパイラルタイプ

ダブルチャネルスパイラルブラシは、シャフトに直接巻き付けるのではなく、必要なサイズに応じた長さのカセットブロックとして製造され、顧客に供給されます。現場でシャフトに組み立て、ピンフランジで固定することにより、機能的なブラシロールタイプが完成します。

スパイラルタイプの特徴

  • 軽量化: ディスクタイプと比較して、より軽量に設計することが可能です。
  • 経済性: ディスクタイプと比べて、経済的に生産することができます。
  • 食毛方法: 以下の2種類の食毛方法を採用しており、品質やコストに応じて食毛方法を調整できます。

スパイラルカセットブラシ

スパイラルタイプブラシの構造で製作しますが、ロールシャフトに直接巻き付けず、必要サイズに応じて一定長さのブロック形状に加工します。
最終ユーザーは、このブロックをロールシャフトに簡易組立して使用する仕様です。

製造工程

  • 黒: 共通 (1〜4)
  • 赤: スパイラルロール (5〜6)
  • 青: スパイラルカセット (7〜9)

ブラシ仕様決定の3要素

ブラシロールの仕様を決定する際には、以下の3つの基準を検討する必要があります。

  • ブラシフィラメント
  • ロール構造
  • 使用条件

下記項目を検討することで、各ラインの使用目的・使用環境に適したブラシロールを製作することが可能となります。

1ブラシフィラメント
  • ブラシフィラメント選定(ブラシフィラメント素材の基本要素)
    • ナイロン素材: 使用目的および使用環境に応じて選定する必要があります。 例えば、強い研削が必要な場合は硬質ナイロンを使用し、 反対に、精密なブラッシング(洗浄)を行いたい場合は軟質ナイロンを使用します。 また、耐酸性・耐熱性など、過酷な環境にも対応できる素材も存在します。
    • 研磨材入り素材: 研磨材入りブラシを採用する場合は、ストリップに与える影響を十分に考慮したうえで素材を選定する必要があります。 洗浄用途が主体のラインでも、研磨材入りブラシロールを用いるケースがあります。
    • ブラシ糸の外径: ブラシ糸外径が太いほど強力な研削に適したブラシとなり、 反対に、ブラシ糸外径が細いほど精密なブラッシング(洗浄)に適したブラシとなります。 ブラシフィラメント外径を太くするほど強力な研削に適し、細くするほど精密洗浄に適します。
  • ブラシフィラメントの主な機能は2つあります。

ブラシフィラメントの役割は、(A) ブラシフィラメント先端へ力を伝達する役割、(B) ストリップに接触し研磨を行う役割、この2点で構成されます。
この2つの機能を最適化することで、効果的なブラッシング効果を発揮します。

  • ブラシフィラメントタイプ
  • C-Type:クリーニングブラシ
    • ストリップ表面のソフトワイピングに特化した材質 一部のノーマルリンスおよび脱脂用途
    • STS APF、CAL、EGL など Final Rinse Zone にて使用
  • M-Type:ミドルアブレシブブラシ
    • ストリップ表面のスケール除去、酸洗能力向上を目的
    • CGL(ALKALI & ABRASIVE BRUSH)
  • H-Type:ヘビーアブレシブブラシ
    • ストリップ表面のスケール除去、酸洗能力向上を目的
    • M-Type より研削力が高い
    • CGL(ABRASIVE BRUSH)、HCGL、STS_APF
  • D-Type:デスケーリングブラシ
    • STS ピックリングセクションで使用 表面スケール除去および酸洗能力に優れる
    • STS_PICKLING SECTION BRUSH
  • F-Type:ファインポリッシングブラシ
    • 汎用ブラシ材質で、ドライ条件でも使用可能 洗浄後のワイピング用途
    • CGL, CAL
2ロール構造
  • ロール外径: ロール外径を変更することで、ブラッシング量を調整することができます。既設のブラシロールスタンドがある場合は、機械仕様および寸法上の制約から検討が必要となります。
  • ブラシトリム(長さ): ブラシロールの寿命やブラッシング量を考慮し、適切な長さを選定する必要があります。
  • ブラシロールタイプ: ブラシロールタイプは、ディスクタイプとスパイラルタイプの2種類があります.
3使用条件

安定した品質と目標性能を確保するためには、以下の事項を十分に考慮する必要があります。

  • ブラシロール回転数(rpm): 洗浄性能および研削性能を発揮できるよう、適切に設定する必要があります。一般的には、ブラシロールの回転数を上げることで洗浄性・研削性は向上します。 ただし、ストリップへの接触回数が増えるため、ブラシロールの寿命は短くなります。
  • 圧下量
  • ブラシスプレー: ナイロン製ブラシフィラメントにおいて、スプレーは極めて重要です。ブラシスプレーの主目的は、ブラシフィラメントとストリップの接触部で発生する「摩擦熱の除去」と、ブラッシング後に被研磨材に発生する「汚れ(鉄粉)の除去」です。 また、スプレー流量や噴射角度の適正化はブラッシング品質を向上させる上で重要な要素となります.